こんにちは!こんばんは!クロネコあぐりです。
この記事ではこんなことに触れています。
- シニア猫の腎不全の症状と治療の仕方や開発中の治療薬と進行を抑えるキャットフードについて
あなたは
「猫にとって天敵のような病気、知っていますか?」
そう!「腎不全」です。
猫にとって避けては通れないものであり、シニア猫になればなるほど発症のリスクが高くなっていく悪魔のような病気です。
しかも、ゆっくりと進行していくため初期段階ではわからないことも多く、
「気づいたときには末期状態」
となっていることも多いんです。
事実、15歳以上のおよそ80%が慢性腎不全にかかっているとされ、シニア猫の死亡原因の1位にあげられ続けています。
そんな腎不全でも早い段階で見つけることができれば、症状を緩和しながら猫生を延ばすことも可能です。
また、2022年3月には腎不全の進行を抑える効果が期待できるキャットフード
「AIM30」
も発売予定ということで猫の腎不全に対する希望も見え始めています。
とはいえ、何の病気でも重度の状態まで進行してしまうと助かるものも助かりません。
猫の腎不全を早期に発見するためには飼い主さんが腎不全という病気のことをきちんと知っておかなければならないと思います。
ということで今回は
- じつは「腎不全の原因」ってハッキリとわからない?
- 腎不全はどんな症状が出るの?4つのステージ別の症状
- 腎不全の治療ってどんなことをするの?
- 腎不全は治る病気になる?治療薬を開発中!
について解説させていただこうかなと思います。
話題になっていた治療薬、早く開発されると良いですね。
じつは「腎不全の原因」ってハッキリとわからない?
これほど多くの猫を苦しめる「腎不全」ですが、現時点では
なぜなるのか原因はまだハッキリと特定はされていない
そうです。
ある種のウイルスの影響といったことや水をあまり飲まず腎臓を酷使するため負担が大きいなどいろいろ考えられているようですが原因の特定とまでは至っていないようです。
腎不全はどんな症状が出るの?4つのステージ別の症状
腎臓の持つ役割は
- ろ過(老廃物の排出)
- 再吸収(水分量のバランスを保つ)
- 内分泌(赤血球の増殖・成熟)
といったことです。
「腎不全」とは腎臓の機能低下によりこれらのことができなくなることを言います。
それでは、腎不全になるとどんな症状があらわれてくるのでしょうか?
4段階あるステージ別にその症状を解説していきましょう。
「ステージ1」の症状
ステージ1の段階ではまだ目に見える症状は何もあらわれることがありません。
猫自体もいたって元気なままですし、何の問題も無いように思えます。
尿検査をしてきちんと調べることで異常がわかるくらいです。
しかし、この段階で腎臓の機能は”33%にまで低下”している状態です。
「ステージ2」の症状
ステージ2になると「多飲多尿」の症状があらわれるようになります。
腎臓の機能が低下するためオシッコをたくさん出して補おうとするので水分不足になるからです。
他には毎日きちんと食べているのに「体重が減っていく」といった症状が見られることもあります。
しかし、猫はまだまだ元気があり食欲が落ちることもないので病気だと気づかない場合の方が多いですが、この時点ですでに腎臓の機能は”25%にまで低下”しています。
「ステージ3」の症状
ステージ3まで行くと老廃物などの”有害物質”をオシッコに含めて体外に出せなくなってくるので「尿毒症」の症状があらわれるようになってきます。
それに伴い「口内炎」「胃炎」「食欲の低下」「嘔吐」「脱水」「貧血」といった症状があらわれやすくなり、「特有の強い口臭」がしだします。
血液の中に有害物質が多くなってしまうため、体の各器官に影響が出るからです。
血液検査でも腎臓の数値の上昇がみられるようになり、猫自体も元気がなくなってくるのでこの時点で異常に気づく飼い主さんが多いです。
しかし、腎臓の機能はこの時点で”10%にまで低下”してしまっています。
「ステージ4」の症状
ステージ4まで行くと末期の状態です。
「尿毒症」が進行して重くなり、他の症状も深刻なものになっていきます。
また、「けいれん」などの神経症状もあらわれるようになってしまいます。
腎臓の機能も”5%にまで低下”し、命の危険がある状態です。
腎不全の治療ってどんなことをするの?
まず最初に言っておくことは
猫の腎不全は”治す”ことができない
ということです。
1度壊れてしまった腎臓の組織は元に戻ることはありませんので
少しでも進行を遅らせるための対症療法
をするようになります。
つまり、
猫の腎不全は”早期発見・早期治療”が大きなカギを握ります。
その対症療法ですが、猫の症状などで変わったりするのでいろいろありますが、主にとられている方法というのは
- 食事療法
- 点滴
- 再生医療
といった方法ではないかと思います。
それではひとつずつ内容を解説していきましょう。
「食事療法」
- 尿毒症を引き起こす老廃物を体に貯まりにくくするために「たんぱく質」「リン」「ナトリウム」などの量を調整したフード
- 腸内の「たんぱく質」や「リン」などを吸着して体の外へ出すことを促すサプリメント
などをあげて猫の腎臓の負担を軽くするようにします。
ネットやペットショップなどでも購入できますが、1度動物病院で相談してから食べさせてあげる方が良いでしょう。
また、食事とともに”水を飲む量を増やす”よう心がけるようにします。
猫の好きな場所、好きな温度などを把握して多くの水分を摂るよう促しましょう。
猫は水道水のカルキのニオイが嫌いな場合も多いので、1回煮沸したりするなどの工夫をしてあげるのも飲水量を増やす手段のひとつです。
「点滴」
「静脈点滴」と「皮下点滴」の2種類あり、通常は皮下点滴の方をするようになります。
※静脈点滴は入院治療が必要な場合に行われるようです。
点滴は体内の水分量を増やし、脱水になるのを防ぎながらオシッコの量や回数を増やして老廃物を体の外へ出すサポートをします。
昔飼っていたウチの猫もずっと皮下点滴で進行を遅らせるとともに症状の緩和をしていましたが、1匹は1年~2年くらい、もう1匹は発見が早かったこともあり5年も生きていてくれたので、最後は病気ではなく老衰で迎えることができたくらいです。
「再生医療」
「再生医療」または「幹細胞治療」とも言う、細胞を使って行う治療法です。
この治療法は本来持っている「修復機能」や「自己治癒能力」を利用して病気を治していくものだそうです。
名前だけ聞くと大がかりな方法に感じますが、やり方は意外とシンプルで
健康な猫から「脂肪組織」を採取します
↓
その細胞を体外で培養して増やします
↓
腎不全の猫に点滴などで投与します
といった感じだそうです。
猫の体への負担も少なく、腎臓の炎症などを抑えて機能の改善と安定化させる効果が期待できると言われているので、他の方法とも併せればかなりの症状緩和につながることと思います。
現在はまだ臨床研究段階のようなので、これからもっと期待できる効果があらわれるようになるかもしれません。
予防する方法はない?普段の生活から注意が必要
「腎不全にかからなければどうということはない!」
ということで何か予防する方法はないのかと探しましたが、
残念ながら
原因もハッキリ特定できてないので予防する方法も無い
という結論に至りました。
しかし、早期発見・早期治療をすることが何よりも進行を遅らせて元気でいれる期間を長くできるので、難しいですができることならステージ1、遅くてもステージ2には発見できるよう気をつけておきたいですね。
そのためにできることとしてまずは
「定期的な健康診断」
をすることをおすすめします。
ステージ1や2では症状が出ることなく元気なままなので普段の様子からの発見はほぼ無理です。
ましてやシニア猫になれば他の病気も隠れている可能性もありますので、1年で3回くらいは健康診断をした方がいいかもしれません。
詳しくはこちらで解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
それと「猫の腎不全が疑われる症状の一覧」も載せておきますのでひとつでも当てはまったら1度動物病院で検査をすることをおすすめします。
- 水をたくさん飲むようになった
- オシッコをたくさんするようになった
- オシッコの色が薄く、ニオイもあまりしない
- 食欲が無く元気も無くなってきた
- 毛並みが悪くなってきた
- 食べてはいるけど体重が減ってきた
特に上の3つは初期段階で出てくる数少ない症状なので見逃さないようにしてあげましょう。
腎不全は治る病気になる?治療薬を開発中!
猫の腎不全は治らない病気として猫の飼い主さんの間で恐れられてきていましたが、
2021年7月にネットで配信されたニュースで
東京大大学院の宮崎徹教授による
猫の腎臓病の治療薬を開発中
の記事が注目を集めました。
この薬が完成すれば今の猫の平均寿命の2倍、最長で30歳まで生きる可能性もあるということです。
※実用化は最速でも2023年秋ごろと言われています。
「AIM」について詳しく知りたい方はこちらに分かりやすく書かれているので読んでみてください。
ちなみに、この本に出てくる猫は
AIMを投与されたことにより”寝たきりの状態”だったのが、”自力で歩いてごはんを食べれる”ようになるまで回復した
そうです。
先立って発売!腎不全の進行を遅らせるキャットフード「AIM30」
猫の腎臓病治療薬は越えるべきハードルも多く実用までまだ時間がかかるようです。
そこで、猫のためにと開発を急いで作られたのがこの度発売される
猫の腎臓の健康維持をサポートするキャットフード「AIM30」
です。
こちらは、
- 早期に発見できた腎臓病の進行を抑える効果が期待できる
- まだ腎臓病になっていない猫に食べさせることで予防効果が期待できる
と言われています。
さらに
- おからに含まれる食物繊維で「毛玉のケア」
- 乳酸菌の配合で「お腹のケア」
- マグネシウムに配慮した「下部尿路のケア」
- アガリスク、セサミンの配合で「免疫力のケア」
- オメガ3を含んだローストアマニの配合で「皮膚被毛のケア」
と他にも5つの健康サポートもできるようになっているようです。
ただし、残念ながら重度の状態まで進行している場合には開発中の治療薬の完成を待つしかないようです。
このキャットフードは「マルカン」というメーカーから
「2022年3月」に全国の販売店にて発売予定
となっています。
ドライフードで味は「チキン味」のみですが
- 室内成猫用
- 室内避妊・去勢後成猫用
- 11歳以上の室内猫用
- 11歳以上の室内避妊・去勢後猫用
- 15歳以上の室内猫用
- 20歳を迎える室内猫用
の6種類あり、すべて
「600g入りのレギュラーサイズ」と「80g入りのお試しサイズ」
があります。
また「総合栄養食」になっているので、こちらのキャットフードだけで栄養面も問題なしです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「猫の腎不全」についていろいろ解説させていただきました。
今回の内容をまとめると
- 腎臓の役割は「ろ過」「再吸収」「内分泌」だが、それらの機能が低下していってしまうことが「腎不全」である
- 腎不全には4つのステージがあり、1や2では機能が大きく低下しているにもかかわらず症状が出ないので早期発見が難しい
- 壊れた腎臓の組織は治ることが無いので治療は進行をいかに遅らせるかということになる
- 猫の腎不全は原因がハッキリしないため予防することができず、定期的な健康診断などで早期発見・早期治療に努めるしかない
- 現在猫の腎臓病の治療薬が開発中であるが、先立って腎臓病の進行を抑えるキャットフードが発売される
といったところでしょうか。
猫を飼っていると必ずつきまとってくるであろう腎不全。
かかってしまった場合にはなるべく長く元気な状態でいれるよう全力を尽くしてあげたいですね。
それでは、この記事が少しでもあなたの参考になれば幸いです。