こんにちは!こんばんは!クロネコあぐりです。
この記事ではこんなことに触れています。
- シニア猫に強制給餌をするということとやり方、おすすめのフードについて
あなたの家では
「飼っている猫はまだ自分でごはんが食べれますか?」
ウチの猫は元気いっぱいでまだまだ自分で食べれます!
しかし、体が衰えたり病気をしてしまったりすることで食欲がなくなり、ついには自力でごはんが食べれなくなってしまうと
「強制給餌」
をしなければいけなくなります。
しかし、いざやろうとすると
「やり方がよくわからないから怖いな~」
とか
「もうちょっと待ったら食べてくれるんじゃないかな~」
など尻込みしてしまうことも無きにしも非ずですよね。
そこで今回は
- 越えると危険!猫の強制給餌を決断するのは24時間以内
- 猫に強制給餌をするための道具を準備しよう
- シニア猫の強制給餌におすすめのフード5選
- 実際に強制給餌をしよう!パターン別やり方(動画解説付)
- 猫に強制給餌をするときに注意したいこと
について解説させていただこうかなと思います。
この強制給餌のやり方は
「子猫のミルクや離乳食をあげるとき」
「猫の薬を飲ませるとき」
などにも使えるので覚えておいて損はないだろうと思いますよ。
- 越えると危険!猫の強制給餌を決断するのは24時間以内
- 猫に強制給餌をするための道具を準備しよう
- シニア猫の強制給餌におすすめのフード5選
- 実際に強制給餌をしよう!パターン別やり方(動画解説付)
- 猫に強制給餌をするときに注意したいこと
- まとめ
越えると危険!猫の強制給餌を決断するのは24時間以内
シニア猫のように年をとって体が衰えてくると、時には食欲不振になることがあります。
しかし、
食欲不振で何も食べない時間の限界は”24時間まで”です。
それ以上になると病気になっている可能性が高く、さらに36時間経過してしまったころには
「肝リピドーシス」
という”肝臓が正常に機能しなくなってしまう病気”を引き起こすおそれが出てきます。
なので、24時間以上何も食べない場合はまず動物病院へ連れて行き、病気の有無を確かめたうえで強制給餌について相談するようにしましょう。
「シニア猫の食欲不振」についてはこちらで詳しく解説しています。
あわせて参考にしてみてください。
猫に強制給餌をするための道具を準備しよう
猫の食欲が戻らず強制給餌をすることになったら、まずは準備から取り掛かりましょう。
強制給餌に必要な道具は以下のものです。
- フード
- シリンジ
- すり鉢またはミキサー
- タオル・猫用保定袋
「フード」
用意するフードはいつも食べているドライフードやウェットフードで大丈夫です。
そのフードをお湯でふやかし、すり鉢やミキサーを使ってすり潰した後、お湯を少量加えながらペースト状になるように練っていきます。
※ウェットフードの場合でも含まれている具材を細かくするために1度すり潰しましょう。
固さ的には少しトロトロしたくらいを目安にしていきます。
- 固すぎる→飲み込みにくくなってしまう
- サラサラ→気管の方へ入って「誤嚥性肺炎」を引き起こす危険がある
といったデメリットが出てくるからです。
また、シニア猫の場合は胃腸が弱って栄養の吸収がしにくくなっていることがありますので、一緒に「ブドウ糖」を混ぜてあげると胃腸に負担をかけることなく効率よくエネルギーの補給ができます。
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「シリンジ」
シリンジとは針の無い注射器のような物のことです。
それを使い、猫の口の中にフードを入れていくようになります。
動物病院で購入できるようですが、ホームセンターやペットショップなどにも置いてあるようです。
自分で選んで購入する場合には
- 片手でも扱いやすい
- 先端の穴がある程度大きい
といったものを選びましょう。
猫の強制給餌は時間をかけると猫も人もストレスになります。
なるべくサッと済ますためにも扱いやすく少しの動作で終えれるようなものの方が良いでしょう。
「すり鉢またはミキサー」
ドライフードはそのままでは強制給餌は難しいですし、ウェットフードでも具材をもっと細かくしないとシリンジの中で詰まってしまいます。
最初はとろみ具合や固さを調整するためにすり鉢でした方がやりやすいでしょう。
慣れてきてフードやお湯の分量がわかってくれば、ミキサーですぐにできます。
「タオル・猫用保定袋」
タオルは
- 「フードが口からこぼれた場合に拭いてあげる」
- 「水を飲ませるときこぼれた場合に拭いてあげる」
- 「暴れる猫を包んで暴れないようにする」
と必ず要るようになりますので2,3枚は用意しておきましょう。
暴れる度合いが凄すぎてタオルでは抑えきれないという場合には
「猫用保定袋」
を利用しましょう。
シニア猫の強制給餌におすすめのフード5選
猫の強制給餌に使うフードを選ぶときには3つの重視するポイントがあります。
- 「高たんぱく質・高カロリー」である
- 「総合栄養食」である
- 食べやすい「ペースト状」である
の3つです。
この3つを踏まえ、猫の強制給餌に使うフードのおすすめを5つほど紹介させていただきます。
選ぶときの参考にしてみてください。
「ヒルズ プリスクリプションダイエット 犬猫用a/d」
999円(Amazon)
- たんぱく質:8,5%以上/缶
- カロリー :183kcal/缶
こちらは
抗酸化成分が配合されていて健康とともに免疫力の維持もサポートできる
フードです。※味はチキン風味
ペースト状なのでもともと柔らかいものですが、かき混ぜることにより「液状」にまですることができるので猫が飲み込みやすい固さに変えやすくなっています。
ただし、こちらは療法食なので食べさせる際には一度動物病院で相談した方がいいかもしれません。
ビタミン類(ビタミンE、ビタミンC、ベータカロテン、他)
増粘安定剤(グァーガム)、アミノ酸類(タウリン)
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こちらの方が1缶の値段的には断然お得です。
「デビフ カロリーエースプラス猫用 ムースタイプ」
254円(Amazon)
- 粗たんぱく質:5,0%以上
- カロリー :90kcal/100g(58,5kcal/缶)
こちらは
消化・吸収のことを考え、柔らかくなめらかなムース状になっている
フードです。
飲み込む力が衰えているシニア猫には食べやすい形状でしょう。
また総合栄養食になっているため1日に必要な栄養をバランス良く摂れます。
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「メディファス キャットフードウェット 11歳から腎臓の健康維持」
12袋入り1,296円(Amazon)
- たんぱく質:4,6%以上
- カロリー :44kcal/袋(40g)
こちらは
腎臓の健康維持のためにリンとナトリウムの量を調整した
フードです。
さらにミネラルバランスなどにも配慮して「尿pH」の調整もされているので
”下部尿路”の健康維持
にも効果が期待できます。
かつお節、ぶどう糖、酵母エキス、野菜粉末
ビタミン類(A、D3、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン)
ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、塩素、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素)
タウリン、増粘多糖類
「ロイヤルカナン 猫用腎臓サポートリキッド」
3本入り3,000円(Amazon)
- たんぱく質:4,7%以上
- カロリー :108kcal/100ml(216kcal/本)
こちらは
慢性腎臓病の猫にあげる目的でつくられている療法食
です。
そのため、リンの量を制限してたんぱく質の量を調整してあります。
栄養やカロリーが非常に高く、食事量の減ったシニア猫の強制給餌用に適したものになっています。
ただし、少しとろみがあるくらいでほぼ液体のようなので、強制給餌をする場合には勢い余って入れすぎないよう注意が必要です。
カゼインカルシウム、カゼインカリウム、濃縮大豆タンパク、魚油
マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(タウリン)
乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、増粘安定剤(増粘多糖類)
ミネラル類(K、Na、Cl、P、Fe、Mg、Zn、Se、Mn、Cu、I)
ビタミン類(コリン、E、C、ナイアシン、B5、B1、B2、B6、A、葉酸、ビオチン、D3、B12)
「キャネット メルミル 介護期用」
12袋入り909円(Amazon)
- たんぱく質:6,0%以上
- カロリー :約44kcal/袋
こちらは
腎臓のケアはもとより心臓のケアも考えられて栄養が調整されたフード
です。
さらに「オリゴ糖」などを配合しており、お腹の健康維持にも配慮されています。
味は「かつお」の他に「まぐろ」があります。
介護用フードにしては嗜好性も高いようで、イヤがることなく食べてくれるとのレビューも多く見られます。
オリゴ糖、ヨード卵粉末、野菜粉末
ビタミン類(A、D3、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン)
ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、塩素、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素)、タウリン、増粘多糖類
実際に強制給餌をしよう!パターン別やり方(動画解説付)
必要な道具もそろったところで、実際に強制給餌をするやり方を解説していきましょう。
猫の強制給餌には
- 「シリンジ」を使ってする
- 「指」を使ってする
の2パターンありますので、それぞれ解説をしていきます。
「シリンジ」を使ってする強制給餌のやり方
まずは、シリンジを使った強制給餌のやり方です。
慣れればこっちの方が危険も少なくやりやすいと思いますのでこちらから解説していきます。
「寝たきりの猫にする場合」には最初に体をうつ伏せの状態にしてから始めましょう。
横向きのままでは上手く飲み込めず逆流したり、気管に入ってしまうことがありますので注意しましょう。
「シリンジの中にペースト状にしたフードを入れる」
※あまり多く入れると不意にたくさんの量を口に入れてしまうことがあるので注意
↓
「タオルまたは保定袋で猫の体を包む」
※包んだ後、猫の後ろから両足の間で挟むようにするとやりやすい
↓
「猫の顔を少し斜め上に向けさせる」
※少し上に向けることで飲み込みやすく逆流しにくい
↓
「口の端にシリンジの先を差し込み、ゆっくりと出していく」
※猫が舌でペチャペチャと舐めれるくらいが理想
↓
「飲み込んだのを確認してから次を入れていく」
※口からこぼれ出たものはすぐに拭いてあげる
慣れるまでは手間取ってしまうかもしれませんが、ストレスを与えないようできるだけ時間をかけずにサッとやれるように心がけましょう。
終わった後はしっかりと褒めてあげるのを忘れないようにしてくださいね。
こちらの動画でも解説されていますので、参考にしてみてください。
「指」を使ってする強制給餌のやり方
次に指を使ってする強制給餌のやり方です。
シリンジでは上手くいかなかったり、吐いてしまうといった場合にはこちらでやってみてください。
こちらでも「寝たきりの猫にする場合」には頭と体がまっすぐになるよう最初にうつ伏せの状態にしてから始めるようにしましょう。
「タオルや保定袋を使って猫を包む」
※猫の後ろから両足の間に挟むようにするとやりやすい
↓
「片方の手の人差し指にフードをつける」
※あまり多くつけるとやりにくくなるので量は少なめで
↓
「反対の手を使って猫の口を開けさせる」
※指を2本使って口の両端(犬歯の後ろ)を押すようにすると開けてくれる
↓
「フードを口の中の上あご部分にサッと塗り付ける」
※奥の方じゃなく手前の方で良いのですばやく塗り付ける
↓
「飲み込むのを確認してから次を入れていく」
※顔を少し上に向けてあげると飲み込みやすい
口の中に半ば強引に指を入れるので、噛まれてしまう危険があります。
フードを塗り付けるときは気をつけましょう。
そして、終わった後にはしっかりと褒めてあげるのを忘れないようにしてください。
こちらの動画でも解説されていますので、あわせて参考にしてみてください。
猫に強制給餌をするときに注意したいこと
猫に強制給餌をするにあたっていろいろ気をつけておくことがあります。
猫にはすでに無理強いをしてしまっている状態なので、さらにストレスを増やしてしまわないよう注意しましょう。
強制給餌は最終手段!まずはいろいろ試してみよう
猫が食欲不振になってしまったとしても
強制給餌をするのはあくまで最後の手段
として考えておきましょう。
「今は食べたくない」と思っている猫に強制的に食べさせる形になるので、ストレスを感じさせてしまうことになりかねないからです。
まずは食欲を取り戻させるためにいろいろと手を尽くして試行錯誤してみましょう。
病気でなければ意外とちょっとしたきっかけでまた食べてくれるようになることも少なくありません。
こちらで「食欲不振の猫の対処法」について解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
吐いてしまうようなら間隔をあけて再チャレンジ
「強制給餌で食べさせたのに吐いてしまった」
という場合には、すぐにまた食べさせるのは止めておきましょう。
猫が吐いてしまった場合は
3~6時間の間隔をあけて、前よりフードの量を半分に減らす
ようにしてから再チャレンジしましょう。
半分に減らした量で吐くことなく問題が無ければ、次にはまた前の量に戻して食べさせてみてください。
シニア猫に強制給餌をするかしないかは飼い主であるあなた次第
猫に強制給餌をするのは確かに負担がかかります。
中には
「食べたくないのに無理に食べさせるのはかわいそう」
と思われる方もいるでしょう。
シニア猫くらいになると「口内炎」や「歯周病」などにかかっている猫も多く、フードを口の中に入れられればその度に激痛が走るとも考えられます。
でも、生きるためには食べて栄養を補給しなければなりません。
無理矢理でも食べることによって体力が回復し、免疫力も戻って少しでも体が楽になるかもしれません。
その一方で、「猫が何も食べなくなり命を落としてしまう」いわゆる
”餓死”
をしてしまうときの苦痛はとてつもなく大きなものだとも言われているようです。
「猫に何をするのか?」といった正解はなく、
「猫に何をしてあげれるのか?」といったベストな答えを家族や獣医師の先生と相談しながら、最後はあなたが”最良”と思える決断を下すようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「猫の強制給餌」についてやり方などを解説させていただきました。
今回の内容をまとめると
- 猫の強制給餌に踏み切るまでの期限は24時間が限界で病気を引き起こしていることもあるためまずは動物病院へ連れて行く
- フードは「高たんぱく質・高カロリー」「総合栄養食」「ペースト状」を重視
- 寝たきりの猫にする場合はうつ伏せの状態にしてから始める
- 猫の強制給餌には「シリンジ」を使うのと「指」を使う2つのパターンがある
- 強制給餌はあくまで最終手段
- 吐いてしまった場合は間隔をあけて再チャレンジする
- 強制給餌をするかどうかの判断は最後には飼い主次第
といったところでしょうか。
強制給餌は猫の抵抗にあわなければ意外とカンタンにできるようですね。
ただ、シニア猫の強制給餌は延命治療の一環である場合が多くなります。
「できることはすべてやる」
のか
「自然のままに任せる」
のかは自分の選択次第でしょう。
それでは、この記事が少しでもあなたの参考になれば幸いです。