こんにちは!こんばんは!クロネコあぐりです。
この記事ではこんなことに触れています。
- 猫の発情から妊娠を経て出産するまでの流れ
- 猫の出産のときに気をつけておくこと
「あなたは猫の出産に立ち会ったことありますか?」
今は、飼い猫のほとんどが去勢・避妊の手術をするため
「飼っている猫が自宅で出産する」
といった機会はあまりないかもしれません。
そのため、いざ”猫が出産する”となった場合、何の知識もないため落ち着かずにオロオロしたり、緊張して何度もトイレに行ったりしてしまうことでしょう。
でも、飼い主さんがどっしりと構えていないと猫はその不安を感じ取ってしまい落ち着いて出産できないかもしれません。
ということで今回は
- 猫が命を宿してから天使を降臨させるまでの流れ
- 猫の出産のときに注意しておくこと
について解説をさせていただこうかなと思います。
猫の出産について基礎知識を身につけておけば、何があっても動じずに待っていられるようになることでしょう。
猫が発情してから妊娠・出産するまでの流れ
一般的に
猫の妊娠期間は平均で65日くらい
と言われています。
発情の期間を入れるともうちょっと長くなると思われるので、すべてが終わるまでだいたい2か月半くらいでしょうか。
猫の出産に関して、すべての期間を大きく分けると
- 発情期
- 妊娠期
- 出産期
に分けることができます。
その間、特有の行動やしぐさ、体調の変化などさまざまなことが起こっていきます。
その時々にどういったことがあるのかわかっておけば、いろいろと心構えがしやすくなるのではないでしょうか。
ということで、猫が子猫を出産するまでの流れを解説していきましょう。
発情期に起こること
猫が発情しだすのは、早くて”生後5か月くらい”からと言われています。
1回の発情期間は4日~14日くらいで、
- 2月~4月頃
- 6月~9月頃
に発情期を迎える猫が多いです。
ただし、完全室内飼いの猫などは環境の変化があまりないため季節に関係なく発情期を迎えることもあります。
ただ、人間のように年中発情しているわけではないです(笑)
オス猫が発情しているときは「アオ~ン」と鳴いたりするのでわかりやすいですが、メス猫が発情しているときというのはちょっとわかりにくくなっています。
メス猫が発情しているサインとして
- 普段出さないような大きな声で鳴く
- 甘えるようになる
- ゴロゴロと転がる行動をとりだす
- お尻を高く上げる姿勢をとる
- スプレー行動をする
といったことが見られます。
「大きな声で鳴く」「スプレー行動をする」
という行動は自分はもとより、近所の方に迷惑にならないか心配ですが、すべて本能からくる行動なので止めさせることはできません。
静かに見守るくらいしかできないので、叱ったりすることはしないであげましょう。
妊娠期に起こること
猫の妊娠率はかなり高く、1回の交尾で
”90%以上妊娠する”
と言われています。
その理由が、猫は人間の排卵と違い
交尾の刺激によって排卵する「交尾排卵運動」をするためです。
猫が妊娠したらおよそ65日間の妊娠期間に入ります。
妊娠中の猫の状態の変化は
- 「妊娠初期」
- 「妊娠中期」
- 「妊娠後期」
- 「出産前」
と段階を経て変わっていきます。
妊娠初期(~20日前後)
妊娠初期のころはわかりにくいので、この期間は飼い主さんも気づかずにスルーしてしまうことが多いようです。
猫の状態としては
- 乳首がピンクに色づいてくる
- 乳房が少しずつ膨らんでくる
- 1週間くらい食欲がなくなることがある
といったことが見られます。
妊娠中期(20日前後~30日前後)
このころになるとお腹も膨らんできて見た目でもわかるようになってきます。
猫の状態は
- お腹が大きく膨らんでくる
- 乳房も大きく膨らんでくる
といった変化があるため、見ただけで
「あっ!妊娠してる」
とわかる状態になります。
妊娠後期(30日前後~40日前後)
この頃になると
たくさんのエネルギーが必要になるため、よくごはんを食べるようになります。
見た目にも完全に「妊婦さん」になってきます。
猫の状態は
- 食欲が増加してよく食べるようになる
- 体重が増える
- あまり動かなくなる
- 少し攻撃的になることもある
といった変化があります。
出産前(40日前後~60日前後)
妊娠初期の段階から
”50日前後”で胎動を感じられるようになってきて、”60日くらい”になると猫が徐々に出産に向けた準備をするようになってきます。
猫の状態は
- 胎動が感じられるようになる
- 食欲が低下する
- 落ち着きがなくなりウロウロするようになる
- 床やクッションなどを掘り返すような行動をする
といった状態になります。
床やクッションを掘り返すような行動とは
「栄巣行動」
と呼ばれるもので出産に適した場所を探している行動だと言われています。
これらの行動が見られたらいよいよ出産です!
出産期に起こること
出産も間近になって、
- 「猫が気にして陰部をなめる」
- 「母乳が出てくる」
といった様子が見られると分娩がすぐそこまできている証拠です。
心の準備はできていますか?
猫の出産は1度に1~8頭の子猫を生みます。
猫が「食欲がまったく無い」といった状態になると
24時間以内には分娩が始まることと思います。
生むのは猫ですから、飼い主さんはうろたえたりして猫に余計な不安を与えたりしないようにしましょう(笑)
猫の出産は終わるまでに”3つの段階”を踏むようになります。
それが
- 出産直前
- 出産
- 出産後
の3つです。
出産直前
出産直前になると猫は出産の準備に入ります。
安心して出産できる場所を探すために家の中をウロウロしたりします。
飼い主さんはダンボールや箱に、
普段母猫が使っているタオルやクッションといったものを入れて安心して出産ができる場所を用意してあげましょう。
置く場所としては、”少し暗くて人があまり出入りしないような場所”の方が猫が落ち着きます。
また、出産のときに羊水や血が出て敷いているものが湿ってしまうこともあるので、予備としてタオルを数枚ほど用意しておくといいです。
出産
猫の出産は
”夜中から明け方”にかけて始まることが多い
ようです。
基本的には母猫にすべて任せて、飼い主さんは「がんばれー」と応援しておくだけでいいです。
ただし、ずっと張り付いて見ていると母猫が落ち着いて出産できないのでたまに様子を見に行く程度に留めておきましょう。
...見てたい気持ちはよくわかるんですけどね。
出産後
子猫がすべて出てきた
↓
母猫がへその緒を噛み切った
↓
子猫をなめて呼吸を促した
となると出産は無事終了です。
ただ、飼い主さんはまだ気を抜いてはいけません。
子猫が生まれたら、胎盤が必ず出てくるようになっていますので、その数を数えましょう。
1匹につき胎盤が1つあるので、
「生まれた子猫と胎盤の数が合わない」
となるとおかしいですし、大変なことです。
子宮の中に胎盤が残ったままだと「子宮内膜炎」などといった病気になる原因となりますので、そんな場合は動物病院へ連絡しましょう。
また、出てきた胎盤は母猫が食べようとすると思いますが、普段から栄養の十分あるごはんを食べさせていると思うので、胎盤を母猫が食べる必要はありません。
むしろ胎盤を食べることによって、嘔吐や下痢などの症状が出ることもあるので食べさせない方がいいです。
後は「出産、お疲れ様でした!」とがんばった母猫に声をかけてあげましょう。
猫の出産のときに注意しておくこと
猫の出産時には基本的に飼い主さんがすることはないでしょう。
しかし、何かトラブルが起きないとも限りません。
そのときは飼い主さんが活躍しないといけません。
そこで、猫の出産に向けて注意しておくことを解説しようと思います。
何かあったときオロオロとうろたえることのないようにしておきましょう。
いつでもサポートできるように準備をしておく
猫が出産をするときに何かのトラブルが発生することもあります。
そういったことに備えて準備しておくといいものは
- 清潔なタオル
- 清潔なハサミ
- 丈夫な糸
- ぬるめのお湯
といったものです。
また、私たちのような素人では対処できないことも多いので事前に動物病院へ連絡しておき、トラブルのときにはサポートしてもらうようにしておくと安心です。
後は、母猫が不安がったりしているようなら、そばに行って声をかけてあげたりしましょう。
「何でハサミや糸がいるの?」
と思った方もいることでしょう。
まれではありますが、
母猫が子猫を生んだ後に世話をしないことがあります。
そのときには飼い主さんが子猫の命をつないであげなければいけません。
そのための「ハサミ」や「糸」です。
”そのとき”が起こってしまった場合の対処方法ですが
まずは、羊膜を破って子猫が呼吸できるようにしてあげましょう
↓
へその緒を子猫から1㎝くらいのところで糸を結びます
↓
結んだところから1㎝くらいのところでへその緒を切ります
↓
タオルなどでやさしく包み、頭を下にして軽くゆすって鼻の中の羊水を出します
↓
呼吸を確認した後、子猫がぐったりしているようなら、ぬるめのお湯に入れて温めてあげましょう
といった手順になります。
とりあえずでも知っておけば、もしもの場合子猫の命を救うことができるかもしれませんので覚えておきましょう。
時間がかかり過ぎている場合は動物病院へ連絡する
猫の出産は
陣痛が始まってから”2時間”、破水が起きてからは”1時間以内”
で終わる
と言われています。
いつまで経っても終わらない...となると何か異常が起きていると考えられます。
また、
- 「子猫の頭が見えているのに5分以上経っても出てこない」
- 「子猫が出てくる前に大量の出血をする」
といった場合も異常です。
そんな場合は、すぐに動物病院へ連絡して獣医師の先生に指示を仰ぎましょう。
出産後には母猫の体調に気をつける
出産後は
母猫の体調にも気を配りましょう。
出産後に”けいれん”や”病気”にかかってしまうこともあるため注意が必要です。
また、
母猫は子猫に母乳をあげるためにたくさんのエネルギーを必要とします。
それなのに、”食欲がなく元気もない”といった状態なら何か体調不良を起こしていると思われます。
中にはすぐに動物病院へ連れて行った方がいいこともあるので、母猫の体調管理には十分気をつけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「猫の発情、妊娠から出産までと出産のときに注意すること」について解説をさせていただきました。
今回の内容をまとめると
- 猫の妊娠期間はおよそ65日くらい
- メス猫も発情時には普段と違った行動をとるようになる
- 妊娠初期の段階は気づきにくいため注意が必要
- 出産するときには安心できる場所が必要なので、箱などを用意してあげる
- 出産が始まったらサポートできるように準備しておく
- 時間がかかったり何かトラブルがあった場合はすぐ動物病院へ連絡する
- 出産後は母猫の体調にも気をつける
といった感じになると思います。
安産と言われる猫でも出産時にはトラブルがあることもあります。
私たち飼い主が前もって知識を身につけておくことで、猫も安心して出産ができるようになります。
また、生まれた命には必ず責任を持つようにしましょう。
それでは、この記事が少しでもあなたの参考になったなら幸いです。