こんにちは!こんばんは!クロネコあぐりです。
この記事では
猫がかかりやすい、かかると危険な病気の一覧と病気にならないためにできること
について触れてるニャ!
猫と一緒に生活をしていくうえで、不安なことのひとつに
「猫の病気について」
があると思います。
しかし、猫が病気になっているのを的確に見抜くって難しいですよね。
「いつもと様子が少し違うな」
「少し食欲がないな」
といった些細なことでもじつは病気のサインだったりしますし。
そんなとき
「こういう状態のときにはこういう病気の可能性があるんだ」
ということを知っておくだけでも、もしもの場合の判断材料になり、早期発見、早期治療につながるかもしれません。
ということで今回は、
- 猫がなりやすい・なると危険な病気12選と症状のまとめ
- 病気にならないための予防法は?
について解説させていただこうかなと思います。
猫は思っているよりガマンしてしまう動物です。
普段から気にかけてすぐに気づいてあげれるようにしましょう。
- 猫がなりやすい・なると危険な病気12選と症状のまとめ
- 病気にならないための予防法は?
- まとめ
猫がなりやすい・なると危険な病気12選と症状のまとめ
猫の病気で多いのは、腎臓病や感染症といった病気です。
中でも”特になりやすい病気”、”なると危険な病気”を紹介していこうと思います。
腎臓病(じんぞうびょう)
猫は他の動物と比べて腎臓病になりやすく、多くの猫が腎臓病によって命を落としているのニャ!
腎臓病は高齢になるほどなりやすく、
7歳以上のシニア猫の中で”30%~40%”は腎臓病にかかっている
と言われているくらいなのニャ!
自分も飼っていた猫が腎臓病が原因で亡くなったことがあるので、次に飼った猫にはまだ若いときから腎臓のケアができるような食事をあげていましたが、それでも10歳くらいのときに腎臓病になってしまったことがあります。
- 腎臓病にかかる原因としていろいろ言われているが、”はっきりとわかっていない”というのが実情
猫がかかる腎臓病には「慢性腎臓病」と「急性腎臓病」があります。
(なりやすいのは慢性腎臓病の方です)
「慢性腎臓病」
- 水をたくさん飲むようになる
- おしっこに何回も行き、量も増える
- 口臭がするようになる
ホントに気づかないうちに徐々に進行していきます。
最初の段階ではまだ元気もあり食欲も衰えていないので気づきにくいですが、すでに腎臓の機能に障害が出ているということです。
「急性腎臓病」
- よだれが多くなり、何回も吐く
- おしっこの量が見てすぐわかるくらいに減っている
- おしっこに色やニオイがない
尿結石が尿道や尿管で詰まるなどして、急に腎臓が機能しなくなります。
「慢性腎臓病」
残念ながら”治る”といったことはありませんので、症状を抑えて進行を遅らせる「対症療法」といったことになります。
「急性腎臓病」
すぐに「尿毒症」を引き起こしたりするので動物病院で早期の治療が必要です。
状況に合わせた適切な治療で毒性の物質を体外に出せれば、体調が復活する場合もあります。
自分の飼っていた猫の場合は、動物病院へ通い「皮下点滴」をしてもらうといったことを中心にやっていましたが、現在では
腎臓に直接作用して進行を遅らせるような薬(セミントラやラプロスなど)や腎臓病に特化したキャットフード
なんかも出てきているようです。
人間の腎臓病のように
- 「人工透析」
- 「腎臓移植」
といった治療もできないことはないのですが、
「人工透析」は腹部にチューブを入れたままにするため、
”感染症のリスクやストレスがかかる”といった弊害があります。
「腎臓移植」に関しては、”ドナー猫などの問題”もありますので、現実的にはかなり厳しいのではないかと思います。
どうしてもというのであればかかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
猫下部尿路疾患(ねこかぶにょうろしっかん)
「猫下部尿路疾患」とは特定の病気の名前じゃなく、膀胱や尿道に起こる病気のことを総称したものが猫下部尿路疾患と言うのニャ!
猫がかかりやすい病気として”常に上位にある病気”なのニャ!
その中でも特に多いのが
- 「特発性膀胱炎」
- 「尿路結石」
の2つです。
特発性膀胱炎(とっぱつせいぼうこうえん)
膀胱に炎症が起きてしまう病気です。
おしっこをするときに痛みを感じる猫も多く、悪化すると
「尿路閉塞」
という状態になってしまう可能性もあるので、普段から気をつけたい病気です。
猫の膀胱炎のおよそ半数がこの特発性膀胱炎にあたります。
- 特発性膀胱炎は検査を行っても”原因がわからない膀胱炎”です。
原因として考えられているのは”環境の変化などによるストレス”があるのではないかと言われています。
- 頻尿や血尿
- おしっこが出にくく、するときに痛みで鳴く
- トイレ以外の場所でおしっこをする
- 違和感から陰部をしきりに舐める
さらにオスの場合は、尿道が細いため尿道が詰まる「尿道閉塞」を起こしてしまう可能性が高くなります。
- 水分をたくさんとらせておしっこを促して膀胱の中を綺麗にする
※猫自体があまり水分を摂ろうとしない場合は「皮下点滴」などをすることで水分を補給しておしっこを促すようにします
「尿道が詰まってしまっている場合」
- 尿道口から尿道カテーテルを挿入して詰まっているものを出す
「細菌感染や結石、結晶の膀胱炎の場合」
- 「投薬」
- 「療法食」
この病気はかかってしまうと治療しても再発する可能性がとても高いので、普段から
- 「ストレスを感じさせないようにすること」
- 「トイレを我慢させないようにすること」
- 「水分をたくさんとらせるようにすること」
を気をつけてみてください。
尿路結石(にょうろけっせき)
腎臓から尿管、膀胱、尿道に「結石」ができてしまい、膀胱や尿道を傷つけてしまったり、尿道に詰まったりなどしてしまう病気です。
結石は主に
- 「ストルバイト結晶」
- 「シュウ酸カルシウム結晶」
によるものがあり、
尿がアルカリ性に傾く➡ストルバイト結晶
尿が酸性に傾く➡シュウ酸カルシウム結晶
になります。
結石は砂のような小さいもの(結晶)から尿道で詰まるくらいの数センチになるものまであります。
- 肥満や運動不足などでさらに水を飲む量が減り、こまめにおしっこに行かなくなるようなことが原因としてあげられます。
また、普段の食事の内容によってもおしっこのpH値のバランスが崩れ結石ができるようになります。
- 頻尿や血尿
- おしっこが出にくく、するときに痛みで鳴く
- おしっこがキラキラしている
基本的には膀胱炎と同じような症状がよくみられます。
おしっこに結晶成分が混ざることでキラキラするようになります
「ストルバイト結晶の場合」
- 療法食で”溶かす”ことによる治療が基本
「シュウ酸カルシウム結晶の場合」
- 療法食で溶かすことができないので、”摘出する”ようになる
結石によって尿道が完全に詰まっている場合は、
「尿毒症」
を起こす恐れがあるので、普段と比べておしっこの量や回数が減っているならば早めにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
予防法として、
普段からよく水を飲ませてこまめにおしっこを促すようにさせましょう。
あまり水を飲みたがらない場合は、
- 「食事をウェットタイプのものにする」
- 「カリカリを水でふやかす」
などして、できるだけ水分を摂らせるようにしましょう。
感染症(かんせんしょう)
細菌やウイルスの感染によって引き起こされる病気で、猫には猫の感染症があります。
ここでは感染症の中でも”猫に多い病気”、”特に気をつけたい病気”をいくつかあげてみました。
猫カリシウイルス感染症(ねこカリシウイルスかんせんしょう)
一般的に「猫風邪」や「猫インフルエンザ」と呼ばれる上部気道感染症の一種なのニャ!
母猫から受け継いだ免疫力(移行抗体)が弱くなる生後6週間~10週間前後の子猫が発症しやすい感染症なのニャ!
猫カリシウイルス感染症を発症した猫は完治した後もウイルスが体内に残る、いわゆる”キャリア”になる猫が多く、そういったキャリア猫によって感染してしまうことがあります。
最近では
「強毒全身性カリシウイルス病」
という感染した場合、重い症状が出るものもあります。
- 感染している猫の鼻水やよだれなどに接触する
- 感染している猫のくしゃみによる飛沫感染
猫同士だけでなく、感染している猫に触った人間の服や体にウイルスが付着し、他の猫に感染させてしまうこともあります。
- 口内炎や舌炎など口の中に潰瘍ができる
- よだれを垂らすようになり口臭がキツくなる
- くしゃみや鼻水、発熱などが起きる
「強毒全身性カリシウイルス病」というものに感染した場合は、
- ひどい全身性の炎症
- 多臓器不全
といった症状が出ることもあるので注意しましょう。
ウイルスに直接作用するような特効薬はまだ見つかっていないため、
- 症状に合わせた対処療法
- インターフェロンの投与
- 抗生物質の投与
をするようになります。
十分な栄養補給と適切な治療・温度管理をしていけば、
およそ2週間ほどで治るでしょう。
ただし、
- 「体力のない子猫やシニア猫」
- 「持病を持っている猫」
などはこじらせてしまうと重症化してしまい命の危険も出てくるので、症状がみられたら早めにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
猫ヘルペスウイルス感染症(ねこヘルペスウイルスかんせんしょう)
「猫ウイルス性鼻気管炎」とも呼ばれる、上部気道炎を引き起こす感染症で、「猫風邪」の一種になるのニャ!
このウイルスに感染すると体の中に潜み2日~10日ほどで発症し、また症状が回復したとしても体内に潜伏し抵抗力が弱まったときに再発することもあるのニャ!
そのため症状が出ていなくてもキャリアになっていることがあるので、その猫から他の猫に感染してしまうこともあります。
子猫が感染し結膜炎が悪化した場合「眼球癒着」という、
眼球とまぶたや結膜同士がくっついてしまい離れなくなる
ということがありますので、子猫の感染には注意しましょう。
感染していて発症している猫の
- 涙、目ヤニ、鼻水などの分泌液に直接触れる
- くしゃみなどによる飛沫感染
- 結膜炎や鼻炎になる
- くしゃみが出て、眼が赤く涙っぽい
- 発熱、食欲不振
結膜炎や鼻炎が主な症状であれば、
- 抗生剤や抗ウイルス薬
- 点眼
といった治療をします。
発熱、食欲不振などで脱水や消化器官の動きが弱まっている場合は、体の状態を整える治療も合わせて行います。
重症化してしまった場合、何日も食べられない状態が続くようなら、
鼻から細いチューブを入れて栄養素や薬を流し込むようになるので、入院が必要になったりします。
気づかないままでいると急に重症化してしまうこともあり、特に子猫やシニア猫などの体の弱い猫では”命の危険”も出てくるので、普段から気をつけて症状を見逃さないようにしましょう。
猫クラミジア感染症(ねこクラミジアかんせんしょう)
「猫クラミジア」という病原体に感染する感染症で「猫風邪」の一種なのニャ!
生後2か月~6ヶ月の子猫が感染してしまうことが多く、重症化すると「気管支炎」や「肺炎」などを併発することもあり、場合によっては命の危険も出てくる病気なのニャ!
また、猫クラミジアは”非常に感染力が強く”ウイルス性の結膜炎よりも長引くことが多く慢性化しやすいようです。
多頭飼いをしている場合などは感染してしまった猫を入院させるなどして、他の猫と隔離することが重要になってきます。
感染した猫の
- 涙や目ヤニ、鼻水などに直接触れてしまう
- くしゃみなどによる飛沫感染
母猫が感染していると、そのまま生まれてくる子猫にも感染する「母子感染」を起こしてしまうこともあります。
- 結膜炎
- 粘着性のある目ヤニ
- 咳やくしゃみ、鼻水が出る
猫クラミジアは感染してから、3日~10日くらいに片方の目に結膜炎が出てきます。
その後、症状が進行してくると、両目とも結膜炎になってしまいます。
- 猫クラミジアに有効な抗生物質の投与
抗生物質の薬は、14日以上継続的に飲み続けることで病原体を完全に消滅させていくことを目指します。
軽症の猫クラミジアだけであれば、治療を始めて2~3週間で回復していきます。
少しでも症状がみられたら早めに動物病院へ連れていきましょう。
猫パルボウイルス感染症(ねこパルボウイルスかんせんしょう)
「猫汎(はん)白血球減少症」や「猫伝染性腸炎」とも呼ばれ、感染してしまった場合死亡してしまう可能性が非常に高い感染症なのニャ!
特に子猫の場合だと重症化し数日で命を落としてしまうこともあるのニャ!
しかもこのウイルスは
- 「体の外に出されても最低3か月は生き続ける」
- 「アルコール消毒や熱湯をかけても死なない」
- 「爆発的な感染力を持っている」
という、とても恐ろしい性質を持っています。
感染した猫の
- おしっこやウンチ、唾液などに直接接触する
- 人間の服や靴の裏などにウイルスが付着して感染する
これ以外にも感染猫の体から外に出されてもしばらくはウイルスが生き続けるため、猫が外を歩いているだけで感染してしまうこともあります。
- 高熱が出る
- 食欲不振
- 激しい下痢や嘔吐(重症化すると血便がでる)
潜伏期間が1~2週間程度あり、感染しても目に見えてわかりやすい症状があまり現れないので急激に悪化してしまうことも多くあります。
- 細菌感染を防ぐための抗生物質の投与
- 下痢、嘔吐の緩和などの対症療法
白血球の減少がみられた場合は、輸血をすることもあります。
初期の軽症段階であれば、下痢や嘔吐がおさまってきた後、猫自身の免疫力によってパルボウイルスが排除されれば回復します。
しかし、すでに重症化してしまっている場合は回復せずに命を落としてしまうことも多いです。
猫パルボウイルスは
ワクチンを接種していれば、ほぼ感染することはない
病気です。
子猫の場合は特に重症化が早いので、獣医さんと相談して必ずワクチンを接種するようにしましょう。
猫白血病ウイルス感染症(ねこはっけつびょうウイルスかんせんしょう)
「猫白血病ウイルス」によって引き起こされる感染症なのニャ!
名前に白血病と入ってるけどそれだけでなく「免疫不全」「リンパ腫」「貧血」といったさまざまな病気を発症するようになるのニャ!
免疫力の低い生まれたばかりの子猫が感染すると、そのほとんどが体内でウイルスが増え続けてしまう
「持続感染」
という状態になってしまいます。
持続感染になってしまうとほとんどが”数年以内”に何らかの症状が出て命を落としてしまうようになります。
さらに、免疫抑制状態になっているので他の感染症にもかかりやすくなってしまいます。
年齢が高くなるほど持続感染になりにくく、1歳を超えて免疫力が高くなれば持続感染になる割合は10%~20%と言われています。
- 感染した猫の涙や唾液、おしっこやウンチに含まれたウイルスが
口や鼻から入ることで感染します
猫同士で毛づくろいをしあったり、ケンカでかみつきあったりすることで感染します。
また、食器やトイレを共有することでも感染してしまうこともあります。
母猫が感染している場合、母猫から子猫へ胎盤やお乳などを介して「母子感染」することもあります。
初期の段階では「発熱」「くしゃみ」「食欲がない」などの風邪に似た症状が出ます。
しかし「持続感染状態」になってしまうと
- 貧血により歯茎が白っぽくなる
- 口内炎になる
- 下痢や嘔吐がでる
といった症状が出てきます。
これは、猫白血病ウイルスが引き起こす「免疫抑状態や骨髄の異常」「リンパ腫」などが発症しているためです。
- 感染により起こった疾患に対しての対症療法
「リンパ腫」であれば、抗がん剤や放射線治療、「貧血」がひどい場合であれば、輸血やステロイド剤の投与といった感じです。
発症してしまうと完治する治療法がないので、
対症療法をおこないながら病気の進行を遅らせるようになります。
この病気は「4種混合」のワクチンを接種すれば予防できます。
ただし、接種後に発熱などの「副反応」が起こったりしますので接種に関してはかかりつけの獣医さんとよく相談して決めましょう。
猫免疫不全ウイルス感染症(ねこめんえきふぜんウイルスかんせんしょう)
一般的に「猫エイズ」と呼ばれる病気で、正式には「猫後天性免疫不全症候群」と言う感染症なのニャ!
猫免疫不全ウイルスの感染によって引き起こされ、発症してしまうと免疫機能が低下していき、さまざまな症状が出てほとんどの猫が”100%に近い確率”で命を落としてしまうのニャ!
ただ、感染してもすぐに症状が現れるというのではなく、まず猫の免疫がウイルスを抑えて何の症状も出ない「キャリア」の状態になります。
中には、このキャリアの状態のまま、発症せずに天寿を全うする場合もあります。
猫免疫不全ウイルス自体は強い感染力はないので「空気感染」することはないと思います。
- 感染している猫の唾液や血液などに含まれているため、他の猫とのケンカにより噛まれることでの傷口からの感染が多い
この病気は感染から発症までに
- 急性期
- キャリア期
- 発症期
の3つの段階に分かれるようになります。
「急性期」
感染して数週間~4か月程度を経過した頃になります。
- 発熱
- リンパ節の腫れ
- 貧血や下痢
などといった症状が出ます。
「キャリア期」
急性期を過ぎて何も症状が出ない潜伏状態が続きます。
持続期間は数か月であったり、10年くらいであったりとさまざまです。
「発症期」
免疫不全を発症してしまった状態になります。
発症してしまうと
- 口内炎や歯肉炎
- 全身のリンパ節が腫れる
- 重度の貧血
などの症状が出てきます。
さらには、免疫がほとんど働いていないため
「日和見感染(ひよりみかんせん)」
と呼ばれる、免疫が普通に働いていれば感染しないような細菌や寄生虫などの病原体に感染してしまい重病化するようになります。
また、ケガをした場合の治りが非常に遅くなるといった状態にもなります。
この、発症期になってしまうとほとんどが、およそ1か月~3か月で命を落としてしまうといわれています。
- 症状に応じた対症療法をおこなっていく
「口内炎」であれば抗炎症剤を投与、「他の感染症」がでれば抗生剤を投与といった治療がおこなわれます。
感染したとしてもキャリア期のまま発症しない猫もいます。
常に清潔で快適な住居環境をつくって、ストレスのない生活を送れるようにしてあげてください。
ストレスのない生活を送ることで猫の免疫力を高く保てるようになり、ウイルスを抑え込むことにもつながります。
また、ワクチンの接種については、「100%予防できるものではない」ということもありますので、かかりつけの獣医さんと相談して決めるようにしましょう。
猫伝染性腹膜炎(ねこでんせんせいふくまくえん)
「猫伝染性腹膜炎ウイルス」による病気で、「腸炎」や「腹膜炎」を引き起こしてしまうようになるのニャ!
これらに炎症が起きることでさまざまな症状を引き起こし、1度発症してしまうと”数日から数か月でほぼ100%”が命を落としてしまうという大変恐ろしい病気なのニャ!
※腹膜とは胃や肝臓などの臓器の表面とそれら臓器のおさまっている腹腔を包んでいる膜のことです。
「猫腸コロナウイルス」が原因となる病気なのですが、じつは多くの猫がこのウイルスに感染していると考えられています。
ただ、このウイルスの病原性はとても低いものなので、感染しただけでは特に何も症状は出ません。
いまだに謎に包まれた部分も多く、全容解明には至っていない病気です。
- 「猫腸コロナウイルス」が体内でまれに突然変異を起こし、猫伝染性腹膜炎ウイルスへと変わってしまうことで発症すると考えられています。
「猫伝染性腹膜炎ウイルス」の感染力は低く、”猫同士の感染はない”と考えられています。
一方「猫腸コロナウイルス」は猫同士で感染しやすく、感染した猫のおしっこなどの排泄物や唾液などに含まれるウイルスが口や鼻から感染すると考えられています。
猫伝染性腹膜炎には2つのタイプがあり「ウェットタイプ」と「ドライタイプ」に分けられます。
どちらのタイプでも初期症状として
- 発熱
- 食欲不振
といったことが起こりますが、初期の段階ではとても気づきにくいです。
「ウェットタイプ 」
発症した猫のほとんどがこのウェットタイプの症状が出てきます。
主な症状として
- 発熱
- 腹水や胸水というお腹や胸に水が溜まる状態になる
- 腹水や胸水が肺を圧迫して呼吸困難になる
といったことが出てきます。
多くの場合、症状がみられてから”2か月以内”には命を落としてしまいます。
「ドライタイプ」
主な症状として
- 発熱
- 眼に「ぶどう膜炎」や「虹彩炎」などが出る
- 脳が炎症を起こし、麻痺やけいれんなどの神経症状が出る
といったことが出てきます。
ウェットタイプより少し慢性的な経過をたどるようになる傾向があるようです。
- 症状に合わせた対症療法をするようになります。
「抗生物質」や「抗炎症剤」などの投与をしながら腹水や胸水を抜いたり、「点滴」などでの栄養保持をおこなったりといった感じです。
残念ながら、猫伝染性腹膜炎を完全に治す治療法はないので、1日でも長く生きられるように症状を和らげてあげることぐらいしかできないのが現状です。
その他の病気
今まで解説した病気の他にも猫がかかりやすい病気がありますので、少し紹介しようと思います。
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
喉のあたりにある甲状腺から分泌されていて、新陳代謝を促進する働きがある「甲状腺ホルモン」が過剰に分泌するようになることで起きる病気なのニャ!
主にシニア猫でみられ、10歳以上の猫の10%はこの病気になっているといわれているのニャ!
「新陳代謝が活発になり、エネルギーの消費が過剰になることでさまざまな症状を引き起こす病気」
なのですが、猫自身は食欲があり活発に動き回るので発症していることに気づきにくい病気です。
主な原因として組織の細胞が過剰に増殖する「甲状腺の過形成」
もしくは「甲状腺の腫瘍」などがあります。
猫の場合は「甲状腺の過形成」であることが多く、その要因は
- 遺伝的なもの
- 地理的なもの
- キャットフードの成分
- 建物の化学物質
などが考えられています。
- 食欲が旺盛になるのに体重が減る
- 多量に水を飲み、おしっこをよくする
- 下痢や嘔吐
他にも「落ち着きがなくなる」「攻撃的になる」といった性格の変化が出たりもします。
「甲状腺ホルモン」は心筋の収縮力を高めて心拍も早くなるので「肥大型心筋症」や「高血圧」などの合併が出ることが多いです。
- 抗甲状腺薬の投与による内科的治療
- 甲状腺の切除による外科的治療
の2つがあります。
「内科的治療」
主に行われる治療法で、甲状腺ホルモンを抑える働きを持つ「抗甲状腺薬」を投与します。
投薬を止めてしまうと甲状腺ホルモンが増えてしまうので、毎日投薬し続ける必要があります。
ただし、薬の副作用で「下痢」や「嘔吐」などの消化器症状が出ることもあります。
「外科的治療」
こちらの治療が考えられるのは、
- 「若い猫」
- 「内科的治療に反応がなかった猫」
- 「内科的治療で腎不全が表面化しなかった猫」
などになります。
外科治療により2つある甲状腺のうち両方を取り出した場合は、
甲状腺ホルモンが分泌できなくなるので「甲状腺ホルモン薬の投与」を行うようになります。
片方しか取り出さなかった場合には甲状腺ホルモン薬の投与は必要ないです。
口内炎(こうないえん)
猫に比較的できやすく、歯茎や口と喉の境目などに炎症が起こっている状態なのニャ!
舌に炎症が起きる「舌炎」、歯肉に炎症が起きる「歯肉炎」と同時に起こることが多く、「歯肉口内炎」と呼ばれこともあるのニャ!
私たち人間でも、1つできただけで食べ物や飲み物がしみて痛いですよね。
しかし猫の場合、口内炎がたくさんできたり腫れあがったりするため人間以上にツラいかもしれません。
- 「免疫力が低下している状態になる」
- 「何らかの要因で口の中に傷を負ってしまった」
- 「歯周病が起こり、歯肉炎や口内炎が引き起こされた」
- 口臭がキツくなる
- よだれが多く出る
- 口やその周辺を痛がったり、触られるのを嫌がったりする
また、口内炎が進行してしまうと痛みのために食欲不振になり体重の減少もみられることがあります。
- 感染に対する抗生剤の投与、炎症や痛みを抑えるための消炎鎮痛剤の投与
- 歯周病が原因ならば、歯石や歯垢を除去して口の中をキレイにする
- 進行してひどい場合には抜歯をすることもある
「抜歯の場合」
臼歯(きゅうし)と呼ばれる”奥歯のみを抜く場合”と”全部の歯を抜く場合”があります。
臼歯のみを抜いた場合は改善率は60%、
全部の歯を抜いた場合は改善率は90%以上
と 言われています。
しかし、グラグラしてない健康な歯を抜くのは非常に大変で、あごの骨が弱っていたりすると、骨折してしまう危険もあります。
口内炎はなかなか治療に反応せず、慢性経過をたどることも多いです。
しかし、進行してしまうと食事はおろか、水を飲むのも難しくなり、衰弱していってしまうこともあります。
症状が少しでもみられるようなら早めにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
病気にならないための予防法は?
猫がかかりやすい病気、かかると危険な病気を紹介してきましたが、そもそも病気にならないために、もしくは病気になる確率を下げるためにできることは何があるのでしょうか?
ここでは、恐ろしい病気から猫を守るためにできることを解説していきます。
病気対策の基本!予防接種(ワクチン接種)
まずは、ウイルスなどの感染症を予防するためにとても重要なものである
「予防接種」から紹介しましょう。
猫の予防接種は
- 3種混合
- 4種混合
- 5種混合
- 7種混合
- 猫免疫不全ウイルスワクチン
の5つがあります。
これらのワクチンを接種することで、多くの感染症を予防することができます。
種類別の対応感染症は以下の通りです。
- 3種混合ワクチン・・・「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「猫汎白血球減少症」
- 4種混合ワクチン・・・上記3つ+「猫白血病ウイルス感染症」
- 5種混合ワクチン・・・上記4つ+「猫クラミジア感染症」
- 7種混合ワクチン・・・上記5つ+「猫カリシウイルス感染症」の別の型2つ
- 猫免疫不全ウイルスワクチン・・・「猫免疫不全ウイルス感染症」のみ
となります。
予防接種をしたからといって100%病気にならないというわけではないけど、もし病気になった場合でも症状を和らげることができるのでしておいた方が絶対良いのニャ!
こちらで予防接種について種類や費用など詳しく解説しています。
去勢・避妊手術
去勢・避妊手術をすることで病気の予防になります。
また、外に出るオス猫の場合は、攻撃性が低くなるため他の猫とケンカをすることがなくなり唾液や傷口からの感染を防ぐことにもつながります。
メス猫の場合は卵巣と一緒に子宮も切除するので、子宮の病気を予防することができます。
デメリットなどはほとんどないので手術した方が良いのニャ!
ただ、ホルモンの影響や発情しなくなることでのエネルギー消費がなくなり、太りやすくなる傾向があるから肥満には注意しておくのニャ!
避妊・去勢手術についてはこちらで詳しく解説しています。
肥満予防
甘えて催促する姿がカワイイからと、ついついおやつなどを与えてしまいがちですが、
肥満になってしまうと
糖尿病の原因や心臓への負担が大きくなり
いろんな病気にかかる原因になりかねません。
太ったことにより動くのをめんどうくさがって、「水を飲む回数が減る」「トイレをガマンする」など「膀胱炎」の原因になることもあるので気をつけるのニャ!
猫の肥満対策についてはこちらで解説しています。
かかりつけの動物病院は複数確保しておこう
急な体調不良などにより病院へ連れていこうと思ったら、
「いつも連れていく動物病院が休みだった!」
なんてことにならないように、普段からかかりつけの動物病院は複数確保しておくようにしましょう。
それだけではなく、複数の動物病院を確保しておくことで
「セカンドオピニオン」
の意味合いを持たせることにもなります。
いつも行くかかりつけの獣医さんを疑うということじゃないけど、信用しすぎてしまうのも危ういと思うのニャ!
これは自分の体験談なのですが、当時飼っていた10歳を超えたシニア猫の体調が悪くなったのでかかりつけの動物病院へ連れていったところ、獣医師の先生から
「お年寄りだからあまり元気がないように見えても心配ない」
といわれました。
しかし、体調はどんどん悪くなっていく一方!
ついにシビレを切らし他の動物病院へ連れて行ったところ
「腎不全」
との診察結果が出ました。
しかも、”すでにかなり進行していてどうなってもおかしくない状態”でした。
それ以降、もちろんそこの動物病院へ行くのは止めましたが、
そういったことも起こりうるということです。
ストレスのかからない環境をつくって、維持してあげよう
人間がそうであるように猫にとっても”ストレスは病気の元”になります。
猫は意外にもちょっとしたことでストレスを感じやすく、体調を崩しやすいので人間以上に気をつける必要があるのニャ!
ストレスのない生活をしていれば、
免疫力を高く保つことができ、感染してもウイルスの増殖を抑えることにつながる
と言われています。
部屋をこまめに綺麗にして、トイレなども常に清潔に保っておくようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「猫がかかりやすい病気やかかると危険な病気とそれらの予防法」について解説してきました。
猫自身は体調の変化を細かに伝えることはできませんし、ましてや病気にかからないように体調管理をすることなどできません。
猫が病気にならず健康に毎日を過ごせるかは、飼い主であるあなた自身にすべて託されています。
それでは、少しでもこの記事が参考になったなら幸いです。